特色・みどころ


 西日本最高峰の霊峰石鎚山の山麓に、目の前には清流加茂川が穏やかに流れ大自然の力溢れる中に位置する極楽寺。
 ここでは石鎚山を背景に四季折々を五感で感じあらゆる生命の息吹に感謝し世俗の喧騒を忘れさせてくれるほどの、ゆったりとした時間が今も変わらず流れている。
 春は見事な山桜をはじめ山々が桃色に染まり、秋には近づく厳しい冬に赤や黄色の愁いをまとい、その後には樹氷の銀世界が広がる。
 日本七霊山の一つでもある『霊峰 石鎚山』が最も力みなぎる季節が夏の大祭『お山開き』である。日本全国各地から老若男女の善男善女が石鎚山へ足を運ぶ。

 石鎚山は古来より修験の山と知られ、時の流れとともに次第に解放されてきたとはいえ、現在でも7月1日だけは『女人禁制』である。
 『お山開き』は毎年7月1日から10日までの10日間、この間極楽寺では毎日善男善女の御祈願・道中安全の護摩祈念を巌修し本尊『石鎚金剛蔵王大権現』を御開帳、加持・祈祷を行っている。

 役の行者御開山由縁から石鎚山信仰の根本道場として去る1300年前より山岳宗教の一大修験道場でもある当山では、石鎚信仰の聖地として各地から修験者が集い、年2回の柴灯大護摩供(2月・5月)、毎年冬至の日には清流加茂川にて水行を行い―陽来福・六根清淨を願い一年を通じ日々、修験者の鍛錬・修行の場でもある。

 極楽寺には壇信徒の皆さま、お参りに来られた方が集い手を合わせ神仏の正しい教えを目・耳・口で体得して頂きたく、また、寺本来のあるベき姿を求め、憩いの場ともなるベく人々を癒す石鎚山の四季の彩りと共に毎月、様々な行事を行っている。

 混迷せる現代にあたり、1300年以来、人間修行の道場である石鎚山に自ら足を運び、霊山の中で『石鎚金剛蔵王大権現』の冷霊気を肌に感じ、権現様の加持力をこうむり、身心の修行を積んで自らの中にある仏心を発見し、迷いの雲を取り除き神仏のお心に通じ合って三毒を加持して頂き幸福な道ヘと歩みだすことこそ、肝要である。即ち、感謝、懺悔(素直な心)、正しい祈りにより、福(和)・録(正しい財産)・寿(身心の健康)を得てこそ、幸せと云うものではなかろうか。権現様は、そのような人が一人でも増えることにより現世が浄土に変わることを念じて居られる。

 難しい理屈はいらぬ。早速に合掌の生活から入れるよう、一年に一度は霊山に足を踏み入れ拝まれ親しまれ、菩提心の発揚に、そして身心の浄化をはかれるよう念じてやまない次第である。
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